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麻生発言を受け入れる社会はテロリストの格好の餌食

 麻生副総理の発言を聞いて、正直驚きました。こんなこと言ってしまうんだこの人。

headlines.yahoo.co.jp「難民」は自国の危険から逃れてきた人たちのはず。
単なる「武装集団」に「武装難民」という言葉をあてがって、「難民」への不信感を煽って何がしたいのか。「武装難民」て「難民」じゃないよ「偽装難民」だよ。
難民受け入れ反対の世論を作りたいのか、それとも麻生さん自身が難民に不信感を持っているのか・・・

いずれにせよ、こういう難民への不信感が高まるごとに、日本がテロに合う確率が高まっていきます。
これは、欧州とISの例を見れば明らかです。

テロリストを育成するのはテロ組織じゃない

最近欧州で多発するテロは、背後にもちろんISがいます。

ただ、ここで気をつけなければならないのが、ISは9.11テロを起こしたかつてのアルカイダ的なテロ組織ではないということです。
かつてのアルカイダは自国の施設でテロリストを育成し、それを他国へ送り込むことによってテロを行ってきました。ところが9.11後は世界からのマークが厳しくなり、テロ計画が事前に発覚することも増えてしまいました。

一方でISは自前でプロのテロリスト育成も行いますが、メインは「ホームグロウン=テロリスト」と呼ばれるテロリストの育成です。
これは、例えばフランス生まれの中東系の人々をフランスに居ながらテロリストとして育成する方法です。ISは巧みなネット戦略によって欧州出身のイスラム教徒に過激思想を教え込み、爆弾の製法を伝えるのです。

では、なぜ欧州出身の若者はISの思想に染まるのでしょうか?

テロリストを育成するのは不寛容な社会

それは、欧州の社会に対する不満があるからです。
9.11やISの登場以降、欧州では中東系のルーツを持つ人々への偏見が深まりました。
テロリストの仲間なのではないか、危険思想の持ち主ではないかなど。
そんな中、学校や職場で差別や偏見に苦しむ中東系の若者が増えていくことは想像に難くありません。

そんな彼らにとって、ISの過激思想は普段のうっぷんを晴らしてくれる魅力的なものなのです。

欧州でテロが多発する過程はこうです。


ISが育成したプロによるテロ

欧州社会の不信感増大

ホームグロウンの若者の苦悩

ホームグロウンの若者のテロリスト化

欧州社会の不振増大

以下憎しみのループ・・・

ISが派遣するプロのテロリストによる犯行は、事前の情報収集である程度食い止めることができますし、今後ますますそのタイプのテロは難しくなるでしょう。
一方で、ホームグロウン型のテロは食い止めることができません。世界がなくさなければならないのはホームグロウン型のテロなのです。そして、そのためには社会の不信感や差別・偏見をなくさなければなりません。

テロとの戦いとは、テロリストに攻撃をしかけることではありません。
本当の戦いは、テロリストが仕掛ける「社会の分断」に反発する努力です。
ISのテロリストと、目の前にいる中東系の若者を同一視しない努力です。これこそが本当の毅然とした態度です。

日本で難民への不信感が高まったら?

麻生発言が受け入れられてしまう日本であれば、もし仮に北朝鮮から難民が押し寄せた場合、彼らへの不信感が蔓延することでしょう。
その不信感が難民を追い詰め、日本社会への絶望感を抱かせます。
テロ組織にとってのテロリスト候補生の出来上がりです。

恐ろしいのは、プロのテロリストによるテロが実際に起きてしまった場合、難民への危機意識を煽り立てる人々が「それ見たことか」と盛り上がり、世論がそれに流されることです。
それこそテロリストの思うつぼです。

もし本当に日本を守りたいのであれば、お願いだから「難民」への危機意識を煽り立てないでほしい。今、自分とは違う人種の人々を攻撃している人たちは、あなたたちがやっていることがどんな結果を生むのかを想像してほしい。


日本を守りたいのなら、様々な人種や文化の人々と共生できる、多様で寛容な社会を目指すしかない。
マイノリティが幸福に暮らせる社会に、テロリストのつけ入る隙はありません。