~読んだら人生狂う本~『深夜特急』 全てを捨てて、旅に出てみない?
旅の魅力が全て詰まったバックパッカーのバイブル『深夜特急』の紹介です。
全てを捨てて旅に出たくなること間違いなしの、人生を狂わせる一冊。
私もこれを読んで旅に出ました!
『深夜特急』とは
インドからイギリスまで2万キロを乗り合いバスで行く。
26歳のある日そう思い立ち、全てを投げ出して旅に出た「私」の旅行記です。
筆者である沢木耕太郎の実体験をもとに書かれています。
1986年に出版された本ですが、現在でもバック=パッカーのバイブルとして多くの若者たちに影響を与えています。
累計600万部以上の売上をほこり、大沢たかお主演でドラマ化もされた大ベストセラーです。
人生狂うポイント① 社会から「脱獄」するのは簡単らしい
ミッドナイト・エクスプレスとは、トルコの刑務所に入れられた外国人受刑者たちの隠語である。脱獄することを、ミッドナイト・エクスプレスに乗る、と言ったのだ。
『深夜特急1 香港・マカオ』
社会からの「脱獄」。きっと誰もが一度は考えたことがあるはずです。
せっかくの人生を無駄にしたくはない。
つまらない日常が10年後も20年後も続くなんて絶対に嫌だ。
そう分かっていながらも、実際に社会から脱け出すのは怖いことです。
「責任が・・・」「仕事をやめたらどうなる?」「老後は?」
その不安は小さくはありません。
ところが、筆者はいとも簡単にその脱獄をやってのけてしまいます。
なぜたった一日で会社を辞めてしまったのか。理由を訊ねられると、雨のせいだ、といつも答えていた。
『深夜特急2 マレー半島・インドネシア』
あーそっか、それでいいんだ。えええええ!?いいのか!!?
そうか、理由など何だっていいんだ。
筆者の旅を追体験するにつれ、自分もほんの少しだけ手伸ばせば、刺激的な世界が世界に手が届くのだということに気が付かされます。
代わり映えのない毎日から「脱獄」するのは、きっとあっけないくらいに簡単です。
人生狂うポイント② 究極の自由
〈さて、これからどうしよう・・・・・・〉そう思った瞬間、ふっと体が軽くなったような気がした。今日一日、予定は一切なかった。せねばならぬ仕事もなければ、人に会う約束もない。すべてが自由だった。
これから毎日、朝起きれば、さてこれからどうしよう、と考えて決めることができ
るのだ。それだけでも旅に出てきた甲斐があるように思えた。
『深夜特急1 香港・マカオ』
何もやることがないから、何でもできる!これぞ旅の自由さ!
計画を詰め込みがちな、GWの旅行では味わえない自由さが長期の旅にはあります。
ですが、長期の旅にはもっともっと魅力的な自由さがあると思うのです。
私たちもまたどんな世界にでも自由に入っていくことができ、自由に出てくることができる。出てこられることが保障されれば、どんな痛苦に満ちた世界でもあらゆることが面白く感じられるものなのだ。私自身は何者でもないが、何者にでもなれる。それは素晴らしく楽しいことだった。
『深夜特急2 マレー半島・シンガポール』
筆者は新卒で入った会社を一日で辞めた後、ルポライターになります。
そこで感じたルポの魅力がこの自由さでした。
そしてこの自由さは、旅の中で感じる自由さと同じものです。
町に溶け込む一方で、いつでもそこを出ていくことができるという無責任感。
誰も自分のことを知らない場所で、どんな自分にもなれる楽しさ。
「社会人」でも「社員」でも「親」でも「子」でもない。
「名前」を持たない、ただの自分として生きていけるという究極の自由。
これこそが、筆者が旅に求めた自由だったはずです。
こんな自由を知ってしまったら、あなたは一つの社会で生きていくことができますか?
人生狂うポイント③ 自由と紙一重の堕落
他人にうるさく構おうとする気力を残している宿泊者はほとんどいなかった。自分から話し掛けなければ誰からも話しかけられず、外部からはまったく切り離された時間を過ごすことができる。そのようなある種の無重力状態は、刺激もないかわり
奇妙な安らぎがあった。
『深夜特急1 香港・マカオ』
『深夜特急』の中では多くの堕落した旅行者が登場してきます。
一日1ドル前後で暮らせるインドの生活に身を浸し、虚ろな眼でぼんやりと天井を眺めるフランス人の若者。
無責任な饐えた臭いを放ちながら、自分の命にさえ無関心になってしまうほどの虚無を抱えたヒッピーたち。
旅行者たちのこんな堕落がたまらなくかっこいいのです。
別れ際に、ロッテルダムの若者に声を掛けた。「またいつか会おう」すると彼はバスを指しながらこう言った。”From Youth to Death!"恐らく彼は、このバスを「青春発墓場行」と名づけたのだ。
『深夜特急4 シルクロード』
知らない世界に触れることは、今まで信じてきた世界を相対化していくことです。
「~すべき」「~ねばならない」
そんな絶対のルールはないのだと知っていく度に、自分を縛ってきた鎖がほどけていくような自由を感じます。
一方、その自由は堕落といつも隣り合わせです。
本当は「しなければならない」ことなど一つもない。
それならば、自分はどう生きていったらよいのでしょうか?
その問いにつまづいた旅行者たちが堕落をしていくのです。
ただ、この堕落はチャンスでもあります。
なんのルールもないのであれば、あなたはどう生きていくのか?
どう生きていきたいのか?
そんな問いに一人の人間として真正面から向き合うことができるのです。
こんな楽しいことって他にありますか!?
さあ、人生を狂わそう
ということで、『深夜特急』の魅力の紹介でした!
私はこの本を初めて読んだとき、体の中から不思議なほどの情熱が、そして自分はこんな人生を知らずに生きてきてしまったという焦りが噴き出してきました。
この本を読んで旅立った若者たちは数多くいます。(私もその一人です!)
みなさんもぜひ、『深夜特急』で人生を狂わせてみてください!!!
※活字が苦手な方にはドラマ版も!